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Debian ウィークリーニュース - 2004 年 10 月 5 日
Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 39 号へようこそ。Robert Millan さんは、GNOME は基本的には kfreebsd-gnu で動いていると報告しました。 AGNULA Team は、Debian インストーラを使い、カスタム Debian ディストリビューションをサポートしている DeMuDi のバージョン 1.2.0 を発表しました。Santiago Garcia Mantinan さんは、現在の Debian CD が DOS からインストーラを起動するのに必要なファイルを提供していないことに気づきました。
Debian-Installer テスト候補 2。 Joey Hess さんは、プレリリース候補 2 (rc2) と呼ばれる、debian-installer のテスト候補 2 が多くの新しい機能を盛りこんでリリースされた、と発表しました。インストーラ関係者は一週間以内に rc2 に向けたリリースプロセスを開始したいと思っています。Christian Perrier さんは、 10 月 6 日のストリングフリーズについて追加のアナウンスを行いました。
non-US アーカイブの状況。 Andreas Barth さんは non-US アーカイブを調査し、 その中で有効なパッケージはたった 2 つしかないことに気づきました。 1 つは main に、もう 1 つは non-free に含まれています。vtun は main アーカイブにアップロードされる予定ですが、PGP 5i はそうはいきません。しかし、 PGP 5i をメンテナンスする意志がある人はいるようです。
実 80386 サポートの中止? Andres Salomon さんは、Debian カーネルチームは実 80386 マシンのサポートを中止しようと考えていると報告しました。 理由は、i486 エミュレーションパッチがメンテナンスされておらず、安全でないと言われているからです。 現在のバージョンの GCC は i486 のコードを生成するので、実 i386 にはカーネルエミュレーションが必要となります。メモリの要件によって Debian sarge はそのようなマシンにはインストールできませんが、古いリリースなら可能で、 インストール後にアップグレードするという方法はあります。
リリースポリシーの更新? 最近リリースアシスタントになった Andreas Barth さんは、main のパッケージに対して main 以外のパッケージを「推奨」するのは許されるかどうか議論しました。 パッケージ管理者の中には「推奨」を「依存関係」と同様に扱っている人もいて、 これは止めなければならないからです。彼は、sarge のパッケージは sarge の中だけでビルド可能でなければならず、そうしなければセキュリティサポートが機能しなくなる、 と言いました。また彼は、main のパッケージが main と contrib のバイナリパッケージを提供するのは問題ないかどうか尋ねました。
DebConf5 の準備。 Lars Wirzenius さんは、2005 年 7 月 1 日 (金) から 7 月 18 日 (月) までフィンランドで行われる、次回の Debian カンファレンスの準備のために開かれた最近の IRC ミーティングの議事録をまとめました。 最初の一週間は様々な問題の解決に、途中の週末は社交行事に、2 週目は講演にあてられます。 Andreas Schuldei さんは、旅費への資金援助の可能性について発表しました。
グラフィカルインストーラの状況。 Martin 'Joey' Schulze さんは、かつて Michael Cardenas さんが始めた、インストーラのグラフィカルフロントエンドの状況を尋ねました。 Colin Watson さんは、彼が取り組んでいる数々の問題を挙げ、オルデンブルクでのほとんどの時間をこれに費したと報告しました。 Bart Cornelis さんは、Tuxum というスペインの企業が彼らのインストーラ (GPL) を Debian インストーラに対する Qt フロントエンドへと変更している最中だと付け加えました。
Debian GNU/Hurd K7 の CD がリリース。 Philip Charles さんは、K シリーズ Debian GNU/Hurd の CD の seventh iteration を発表しました。彼は、この K7 セットの主な特徴はその品質にあると言いました。 以前の CD パッケージへの主要な追加は Xfree86 4.3 です。Debian GNU/Hurd CD のインストール説明はこちらにあります。
パッケージ競合の不足。 Frank Lichtenheld さんは、「競合」の定義が不足しているにもかかわらず、 置き換えもなしに他のパッケージと同じファイルを含んでいる 42 個のパッケージについて報告しました。 通常、これでは他方が既にインストールされている場合に双方のパッケージがインストール不能になってしまいます。 Petter Reinholdtsen さんは、このような競合を解消するためにどちらのファイル名を変更するのかは、人気コンテストのデータベースを利用して人気で判断するよう提案しました。
セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。
- freenet6 -- 潜在的な情報の漏洩。
- netkit-telnet -- 任意のコードの実行。
- rp-pppoe -- 潜在的な root の悪用。
新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。
- alexandria -- 書籍情報収集のための GNOME アプリケーション。
- ams -- ALSA 用のリアルタイムモジュラシンセサイザー。
- amsynth -- 2 つのオシレータをソフトウェア合成。
- caps -- C* オーディオプラグイン集。
- creox -- リアルタイムのギター効果。
- dirmngr -- gpgsm で証明書の取消しを扱うモジュール。
- dnsdoctor -- DNS (ドメインネームシステム) の検査ツール。
- fityk -- 一般向けの非線形曲線のフィッティングとデータ解析。
- harbour -- Clipper とも呼ばれる、xBase スーパーセット言語のコンパイラ。
- jackeq -- 複数の音源の中継と操作をするツール。
- magma -- Magma クラスタの抽出 - ツール。
- onak -- OpenPGP 鍵サーバ。
- tclmagick -- ImageMagick の Tcl バインディング。
- viewglob -- シェルプロンプトが参照するディレクトリをグラフィカル表示。
- wmdonkeymon -- edonkey でダウンロードの進行状況を表示するドックアプリ。
- wmmisc -- システムを監視するドックアプリ。
先週紹介された Debian パッケージ。 毎日、様々な Debian パッケージがテスト版 (testing) ディストリビューションから取り上げられています。 もし他の人も知っているべきだと思っている、世に埋もれたパッケージを知っているなら、Andrew Sweger さんまで知らせてください。先週、「今日の Debian パッケージ」 では以下のパッケージが紹介されました。
- busybox -- 小規模や組み込みシステム用の小ユーティリティ集。
- exmh -- MH メールのユーザインターフェース。
- vpnc -- Cisco 互換の VPN クライアント。
- rblcheck -- RBL サーバへの問い合わせツール。
- vsound -- 仮想ループバックサウンド録音と Real オーディオ変換。
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今週号の Debian ウィークリーニュースは Michael Banck and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
今井 伸広 が翻訳しました。