Debian ウィークリーニュース - 2003 年 10 月 21 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 42 号へようこそ。natural computing によると、ドイツ、メクレンブルク-フォアポンメルン州の 監査裁判所では、100 台のシステムを Debian GNU/Linux に移行中だそうです。 オランダのロボットサッカーチーム Mission Impossible Twente は、オペレーティングシステムに Debian woody を使い、 とても満足しています。

Debian と LPI。 Martin Michlmayr さんは、Linux Professional Institute (LPI) の代表と行った 会合と議論について報告しました。rpm ベースの試験問題と dpkg ベースの試験問題とが選択できますが、 シドニーの LPI ラボでは、受験者の約 25 % が dpkg ベースの問題を選択しました。 さらに、LPI は「デスクトップ検定」の開発にも取り組んでいます。興味のある Debian のデスクトップ関係者は、Martin に連絡を取ってみてはどうでしょうか。また、LPI は World Summit on the Information Society (WSIS) に参加し、ブータブルな Debian の CD (Morphix) を配布予定です。

プロジェクトリーダーの回顧録。 Martin Michlmayr さんは、 DPL としての仕事具合を説明するために、 彼がこの半年間に取り組んできた課題のうち、 いちいち報告するには些細にすぎたものをリストアップしました。 これには Debian 内部の活動、財務・法務の問題、広報と開発が数多く含まれています。

ニュースにおける Debian。 LinuxForce は、早くも 2003 年が Debian GNU/Linux にとってあたり年になった、 と言っています。彼らは、ここまでのところで最重要の Debian 関連ニュース記事をリストにまとめました。 これには、最近の受賞や Netcraft の調査、オペレーティングシステム管理のための最優良事例の研究などが含まれています。

パッケージポリシーチェッカー。 Magosányi Arpád さんは、テスト版 (testing) にあるバージョンは 最新のポリシーを実装していないので、 どのポリシーチェッカーを使うべきか疑問に思いました。 Steve Kowalik さんは、linda を使うのがよいが、まだ該当するバージョンはテスト版 (testing) に入っていない、と説明しました

ソースのみのアップロード。 最近 Wolfgang Borgert さんは、ソースのみのアップロードで不具合を体験しました。 Daniel Jacobowitz さんは、メンテナが軽率になりやすいので、 ソースのみのアップロードは認められていない、と説明しました。 メンテナのところでビルドできないパッケージでも アップロードできてしまうわけですから。 また、binary-all のパッケージでは、buildd によるビルドは行われません。

Wikipedia における Debian。 フリーの百科事典 Wikipedia には、Debian プロジェクトとその配布物に関する長い項目があります。別の項目には、 開発者の募集・モチベーション・脱退とパッケージのライフサイクルの記載があります。Wikipedia は、コミュニティによって執筆・編集されており、 GNU Free Documentation license の下で公開されています。2001 年 12 月に最初の版が 書かれて以来、たくさんの人がこの項目に寄稿しています。

いくつかのパッケージをしばらくフリーズ。 Steve Langasek さんは、krb4・PostgreSQL・Heimdal・cyrus-sasl2・coreutils のメンテナに、これらがテスト版 (testing) に入るまでの間、これらのパッケージを 変更しないよう促しました。 パッケージ相互の依存性の問題や、その他深刻な問題がいくつかあるせいで、 現在これらはテスト版に入れない状態です。 PostgreSQL は Perl 5.8.1 関連で予期しない障害が発生するため、 テスト版入りが 遅れています。heimdal は PostgreSQL と衝突し、coreutils はまず新しい版の krb4 を要求します。

憲章改正の投票。 Manoj Srivastava さんは憲章の 4.1.5 節を明確にするために、憲章改正の一般決議への最初の呼びかけを発表しました。 投票は 10 月 29 日水曜日 23:59:59(UTC) までに到着しなければなりません。 彼はさらに情報として 鍵指紋のリスト、 この投票の統計付け加え、 今回の投票システムのソースコードリポジトリを紹介しました。

構築時にパッケージをテスト。 Bill Allombert さんは、 ポリシーを改訂して、 ビルドスクリプト中にパッケージの自動テストを含めることをメンテナに要求するよう 提案しました。 自動ビルドに必要な時間は、移植作業の時間に比べ、 貴重なリソースではなくなってきているようだ、というのが理由です。 メンテナがテストできるバイナリパッケージは、 彼らがアップロードするものに限られます。 メンテナが自動ビルドされたパッケージをテストできるのは パッケージが不安定版 (unstable) に入ってからですが、 そのときにはすでに問題が起こっているかもしれません。 ただ、自動テストを除外すべきだ、というような事項は、 現在のポリシーには もう記載されていません。

debian-installer イメージのパッケージング。 Goswin von Brederlow さんは、新しいインストーラのイメージをどこにアップロード すべきか疑問に思いました。 フロッピー、CDROM、ネットワーク起動、ハードディスクインストールのイメージがあり、 1.4 MB のフロッピーから 5-20 MB のネットワーク起動、 ハードディスクインストールのイメージ、5/20/50 MB の CDROM iso イメージまで、 合計で各アーキテクチャごとに 100-150 MB になります。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 16 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 181 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Andre Lehovich and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。