Debian ウィークリーニュース - 2004 年 2 月 24 日
Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 8 号へようこそ。ついにモールス信号を 使ってメールが送れるようになりました。国際電気通信連合、ITU が "@" 記号に新しいコード (. - - . - .) を割り当てたからです。Andreas Barth さんは、最近アップロードされた壊れたバージョンの tar によって、16 個のパッケージが 壊れていたと報告しました。 すでに修正はされています。
RRD データとグラフファイルの保存。
Jean-Michel Kelbert さんは、RRD
のファイルをどこに保存すればよいか尋ねました。
ログのローテーションにより失われたデータなくして、RRD のファイルを再構築するのは不可能なので、
/var/cache
に保存してはいけない、と後に彼は強調しました。しかし、
グラフファイルはデータファイルから生成されるので、それらは /var/cache
置かなくてはいけません。
新しい XFree86 ライセンスの調査。 Branden Robinson さんは、XFree86 4.4 以降の新しいライセンスを調査しました。 XFree86 Project, Inc. のライセンスに変更した際の実際の影響として、XFree86 のソース配布自体が多くの面から言って GPL 非互換になってしまう、と彼は結論しました。 Keith Packard さんは、freedesktop.org が XFree86 のソースを使ってリリースする ソフトウェアは、完全に DFSG フリーなものとなるよう強く望んでいると強調しました。
GIF/LZW 特許の期限切れ。 Roland Stigge さんは、今でも sarge を 2004 年 7 月 7 日までにリリース可能かどうか疑問に思いました。 もし可能でなければ、Debian は GIF/LZW 特許に苦しめられているパッケージを、non-free や contrib から main に移動させる準備を始められるのではないでしょうか。なぜなら、 その日は国際的に US4558302 特許の期限が切れる日だからです。
Solutions Linux からのレポート。 Julien Blache さんは、フランスで行われた、今年の Solutions Linux の展示会と 会議についてのレポートを書きました。 多くの Debian 開発者が .Org パビリオン内の Debian ブースで出会いました。また、 フランスのウェブラジオから、Debian の概要や近付きつつある sarge のリリースについて、インタビューを受けたりしました。過去のイベントに比べて、 興味を持ってブースを訪れる人の数も増えています。
リリースの進捗レポート。 Colin Watson さんは、昨年 12 月 1 日からの、sarge リリースの進捗について最新のレポートを書きました。彼は、debian-installer は改良中で、GNOME 2.4 と KDE 3.1.5 はテスト版 (testing) に入り、XFree86 4.3 は最近不安定版 (unstable) にアップロードされたと言っています。 残る重要な課題は debian-installer の完成と、残りのアーキテクチャへの移植です。テスト版 (testing) には、まだ 350 個もの リリースクリティカルバグがあります。これらはリリースできません。
純粋に 64 ビットな AMD64 移植版? John Goerzen さんは、純粋に 64 ビットな AMD64 アーキテクチャへの移植を続けるよう提案しました。 マルチアーキテクチャ実現へのめどがつきしだい、純粋な 64 ビット環境を望む人々をサポートしたままで、マルチアーキテクチャな プラットフォームへの移行を始めることができます。Josh Hansen さんは、開発に時間を割こうとする人々がいる限り、どちらの努力も長く続くだろう、と付け加えました。
Mozilla Firefox パッケージ。 Eric Dorland さんは、Mozilla Firefox 0.8 のパッケージをアップロードしたと発表しました。 パッケージの名前が変わってしまったので (このパッケージは以前は phoenix、 その後は firebird として知られていました)、アーカイブに現れるまでに一週間ほど かかると思います。興味のある人や待ち切れない人のために、彼はファイルを people.debian.org にもコピーしました。
マニュアルページが non-free に移動される? 上流の man-pages プロジェクトの最近の変化が 発見されました。POSIX 標準のマニュアルページのバージョン 1.65 は、 上流のマニュアルページ配布物に含まれています 。しかしこれらの著作権は、配布と変更について言及していませんが、 上流のメンテナによると、後者 (変更) は明示的に許可されてはいません。 これでは全てのパッケージが non-free となってしまうので、パッケージングを少し変えて、 今回は non-free の部分を取り除くようにしました。
セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。
- Linux 2.4.18 (alpha+i386+powerpc) -- ローカルの root 権限取得。
- Linux 2.4.16 (arm) -- ローカルの root 権限取得。
- Linux 2.4.17 (powerpc/apus) -- ローカルの root 権限取得。
- Linux 2.4.17 (mips+mipsel) -- ローカルの root 権限取得。
- Linux 2.4.17 (s390) -- ローカルの root 権限取得その他。
- XFree86 -- 複数の脆弱性。
- Linux 2.4.17 (ia64) -- ローカルの root 権限取得。
- lbreakout2 -- バッファオーバフロー。
- synaesthesia -- 安全でないファイル作成。
- hsftp -- フォーマット文字列脆弱性。
- pwlib -- 複数の脆弱性。
- metamail -- 任意のコードを実行。
新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、または重要な更新を含んでいます。
- aclock -- GNUstep 用のアナログ時計のドックアプリ。
- arabtex -- TeX/LaTeX 用のアラビア語/ヘブライ語マクロ。
- attal -- HoMM II のように交互にプレイするゲーム。
- directoryassistant -- 小さな LDAP アドレス帳マネージャ。
- efp -- NES のゲーム、Escape from Pong。
- fgetty -- とても小さく、効率的なコンソールのみの getty と login。
- fwatch -- ファイルの変更を /dev/fwatch に伝えるカーネルモジュール。
- gmines -- GNUstep 用のマインスイーパ。
- impose+ -- 2 ページ印刷や bbox などに対応した Postscript ユーティリティ。
- javacc -- Java で使うパーサ生成器。
- latex-beamer -- プレゼンテーションを作成する LaTeX のクラス。
- mined -- 小さくて使いやすい unicode 対応のテキストエディタ。
- munin -- ネットワーク全体のグラフ化フレームワーク (grapher/gatherer)。
- openggsn1 -- オープンソースの Gateway GPRS Support Node (GGSN)。
- par2 -- ファイルの検査と修復をする、パリティアーカイブボリュームセット。
- pdftk -- PDF 文書を操作するツール。
- pm-dev -- プロキシ管理プロトコルの開発ファイル。
- proxycheck -- オープンプロキシサーバを素早く偵察する簡単なツール。
- pvpgn -- Battle.net(R) をエミュレートするゲームサーバ。
- rapidsvn -- subversion の GUI クライアント。
- renaissance -- GNUstep の GUI 開発フレームワーク。
- rng-tools -- Intel/AMD/VIA のハードウェア乱数生成器を使うためのデーモン。
- squid-prefetch -- squid ウェブプロキシ用の簡単なページ先読み取得。
- steptalk -- GNUstep のスクリプティングフレームワーク。
- tdom -- Tcl 用の XML/DOM/XPath/XSLT 実装。
- uim -- 簡単、安全かつ柔軟なインプットメソッド集とライブラリ。
- util-vserver -- 仮想プライベートサーバとコンテキスト切替え用のツール。
- waiho -- GNUstep 用の簡単な FTP クライアント。
- xrestop -- X11 サーバのリソース利用モニタ。
- yafray -- 現代的で、xml を話すレイトレースベースのレンダリングシステム。
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今週号の Debian ウィークリーニュースは Matt Black and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。