Debian ウィークリーニュース - 2004 年 12 月 14 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 49 号へようこそ。Bruce Byfield さんは NewsForgeapt-get の簡単な紹介文を発表しました。ふたたびになりますが、 開発者が changelog のエントリでバグを自動的に閉じる際には、適切な記述を加えるよう忠告されています。 Jason Boxman さんは、Debian システムで Exim 4 と Courier IMAP を使うためのガイドラインを書きました。

Debian についての建設的な批評。 DesktopLinux のゲスト論説において、 Binh Nguyen さんは Debian における重要な設計上の特徴をいくつか挙げ、 それらが Debian を最強かつ最高の汎用性を持つ GNU/Linux ディストリビューションにしているのだ、と述べました。 また一部の弱点についても意見を述べ、いくつかの簡単な改善と、 新規ユーザへの友好的な態度が Debian をより一層向上させると主張しました。彼は、Debian は優れた堅牢なディストリビューションではあるが、 いくつかの致命的な欠陥によってエリート主義的だと思われてしまっている、と結論しました。

Debian のギークなフェミニストたち。 Bruce Byfield さんが、Debian women サブプロジェクトとそのあらましについて報告しています。 Debian women の主な役割は、支援や激励に限らず、プロセスを分かりやすく説明することによって、 女性が Debian 開発者になるのを手助けすることです。Debian women は、Debian についてもっと気軽に学べる場として、多くの女性から体験談や要望を引き出すために作られました。

マルチヘッドコンピューティング。 OPENSense Solutions は、Debian ベースのマルチユーザコンピュータの Groovix が利用可能になったと発表しました。 1 台の AMD Athlon マシンに最大 3 組のモニタ、キーボード、マウス、スピーカーを接続でき、システムはデスクトップ環境に KDE を用いた Debian GNU/Linux で構成されています。 ベンダはこれ以外の構成はサポートできないと強調していますが、apt-get install gnome とタイプするのはそれほど難しくもないでしょう。

Debian のウェブサイトに広告を。 Martin Michlmayr さんは、Debian のウェブサイトに広告を掲載しないか、という問い合わせを転送しました。 Stephen Frost さんは、収入源になりうるこの提案を歓迎しました。 しかし、何人か開発者は、このアイデアを快く思いませんでした。 Alexander Schmehl さんは、コンテントベースの広告が問題となるような一例を挙げました — 例えば "Debian" と "Linux" という言葉を検索したときに、 オープンソースに関する「本当の真実 (true facts)」という広告を表示してしまいます。

SVG アイコンのサポート。 Jay Treacy さんは、Debian システムでは SVG (Scalable Vector Graphics) をどのようにサポートすることになっているのか疑問に思いました。 Josselin Mouette さんは、GTK+ はすでに SVG をサポートしていて、 ファイルシステム上の保存場所について説明しました。 Bill Allombert さんは、メニューマニュアルは XPM のアイコンについてしか言及していないと付け加えました

dpkg の開発は継続中。 Martin F. Krafft さんの ITP を受けて、Adam Heath さんが dpkg-deb ユーティリティの将来像を明らかにしました 。 モジュール単位の設計により、Debian パッケージをインストールしなくても簡単に変更できるようになります。 また、例えば /usr/share/doc のようなディレクトリ全体の除外などもサポートされます。

GNU/Linux Core Consortium。 Bruce Perens さんは、GNU/Linux Core Consortium (LCC) は元々彼が LSB のようなことをしようと計画したものだと説明し、Debian にも関与を求めています。彼が考えている主な技術的影響は、 いくつかのダイナミックライブラリの名称変更ですが、これは受け入れられないようです。LCC の目的は LSB を補うことにあり、LSB では扱いきれない各々のケースに対するソリューションを合意することです。

GNOME の sarge への移行が完了。 Jordi Mallach さんは、gconf-editor が GNOME 2.8 のテスト版 (testing) 入りを延期させている最後のコンポーネントだと報告しましたが、その後、アップロードは無事完了しています。彼は以前に、 今回のテスト版 (testing) への移行は、GNOME 2.0 以来最もスムーズなものだったと報告しています。さらに、リリースクリティカルバグが修正された新しいバージョンの Evolution もアップロードされています。

フリーな Java をサポート。 Arnaud Vandyck さんが、他の Java 開発者にフリーなランタイムを使って各自のプログラムをテストし、 結果を報告して欲しいと依頼しています。 彼は、フリーな Java バーチャルマシンでプロジェクトを走らせた結果をまとめるページを始めました。 彼自身の所感には、 スレッドを酷使したプロジェクトについての経験談が書かれています。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 4 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 226 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Matt Black, Adrian von Bidder and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。