Debian ウィークリーニュース - 2005 年 4 月 5 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 14 号へようこそ。最近、Hurd のライブ CD が出されました。 システムにインストールせずに試してみたい人には朗報です。Noèl Köthe さんは CeBIT 展示会開催中に、いくつかのドイツ政府関連機関が最近 Debian に切替えたと報告しました。武藤 健志さんが、Debian sarge のインストールの様子を telnet を使って見られるようにした、と報告しています

ソースを使え、ルーク! John Goerzen さんは、全アーキテクチャで同期をとる際の問題や、 ミラーのディスク容量を抑えるために、ソース中心のアプローチを提案しました。 Wouter Verhelst さんは、Debian の大きなセールスポイントのひとつは、 何かを使う前にビルドする待ち時間がないことだと指摘しました。 この提案は、Debian を第 2 の Gentoo ディストリビューションに変えてしまうものです。

なぜファイアウォールのサポートが必要? Thomas Bushnell さんは、バンクーバーの趣意書において、 移植版がリリースとして扱われるための必須要件にファイアウォールのサポートが含まれているのはなぜか疑問に思いました。 Joel Aelwyn さんは、おそらく buildd マシンを「インターネット」 のような危険な環境で稼働させるには、自前でファイアウォールを運用する必要があるのだろうと説明しました

アーキテクチャのエミュレート。 Gunnar Wolf さんは、Debian が持つ多くのエミュレータを使って、 低速なアーキテクチャを高速なマシンでエミュレートするよう提案しました。 Peter De Schrijver さんは、distcc や scratchbox を使ってクロスコンパイルすれば、buildd がターゲットのアーキテクチャで稼働していても高速になり、 新たに作ったプログラムも実行できる付け加えました

chroot 環境のよりよいサポート。 Jorge deLyra さんは、init スクリプト群に chroot 環境のよりよいサポートを付け加え、 デーモン類が chroot 環境の内部で起動しないようにすることを提案しました。 Henning Makholm さんは、chroot 環境用に適切な policy-rc.d スクリプトを書くよう求めました。 これは、/usr/share/doc/sysv-rc/README.policy-rc.d.gz で文書化されています。

LSB 初期化機能のサポート? Thomas Hood さんは、Debian が LSB の初期化スクリプトの機能を採用すべきかどうか疑問に思いました。 Javier Fernández-Sanguino Peña さんは、 今のところ各スクリプトにはかなりの差異があると付け加えました。 一般的な認識に反して、Wouter Verhelst さんが書いているように、初期化スクリプトの出力は記録可能です。

パッケージ削除の理由。 Frank Küster さんは、テスト版 (testing) からパッケージが削除された理由を探すにはどうすればいいのか疑問に思いました。 Jeroen van Wolffelaar さんは、確かにこの情報はまだ提供されていないと認めました。 将来的には、新設された debian-testing-changes メーリングリストがこういった情報を提供する場として利用されるでしょう。

Debian インフラストラクチャの重大な故障。 James Troup さんが、Debian のサーバのひとつに重大な故障が起こったと発表しました。ひとつのパーティションで広範囲に渡るデータの破損が判明したため、 このマシンはネットワークから切り離されました。その後、いくつかのサービスは他のマシンに移して復旧されましたが、 開発者はホームディレクトリにあるファイルを自分でチェックする必要があります。 また、この問題はメールで配信されたので、ウェブ上では読めませんでした。

リリースの最新状況。 Andreas Barth さんが、sarge リリースの最新状況を出しました。彼は、80386 のアップグレードパスとパッチの管理をしてくれる有志の、最終の募集もしました。 応募がないと、このサブアーキテクチャは完全にサポートされなくなってしまいます。 彼はまた、arm アーキテクチャが遅れを取り戻せば、まもなくテスト版 (testing) はフリーズになるだろうと予測しています。

友好的な Debian プロジェクト? Hanna Wallach さんが、Debian を男性・女性双方にとって友好的な場所にすることについてエッセーを書きました。驚いたことに、多くの男性が Debian Women プロジェクトに参加しています。他の Debian のフォーラムに比べて、より前向きで、 友好的に向かえてくれる雰囲気があるからでしょうか。

GNOME チームへの支援。 Jordi Mallach さんが、多くの GNOME パッケージに対して報告された様々なバグ報告を読み、 テストしてコメントをつけてくれるよう支援を求めました。扱いにくいアップグレードや移行がないかぎり、 ソフトウェアの単純なパッケージングは大きな問題にはなりません。しかし、 数多くのバグ報告を対処するのは大変です。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 8 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 224 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Martin 'Joey' Schulze が編集しました。