Debian ウィークリーニュース - 2005 年 5 月 25 日
Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリニュースの今年の第 21 号へようこそ。残っているリリースクリティカルなバグを修正し、 翻訳をまとめるべく、debian-release メーリングリスト上では依然として多くの活動が記録されました。Matt Whipp さんは、 フリーソフトウェアは開発者が足りていないとの主張に反論するために、何人かを引き合いに出しました。
12 ワットで Debian デスクトップ。 Silas Bennett さんは消費電力の少ないデスクトップシステムを走らせたくなり、結局 Mac mini を使うことにしました。 Bennett さんの説明によれば、 彼はハードディスクと CD-ROM ドライブを取り外すことにより電力を節約、 またスペースを開けてバッテリーパック用に再利用し、 そこから 12 ワットの電源を供給しているとのことです。 また Bennett さんは、sarge のインストーラが完全に動作したことにも喜んでいます。
Debian GNU/Hurd で GNOME と Qt が動作。 Michael Banck さんは GNU/Hurd 上で GNOME のコンパイルと動作に取り組み、 いくつかの警告や未解決な点はあるものの、なんとかやり遂げ、スクリーンショットも撮りました。 いくつかのパッケージは修正しないと構築できなかったので、すぐに GNOME が hurd-i386 へアップロードされることはないでしょう。しかし全般的な問題は解決したようです。 関連するニュースとしては、Qt も Hurd 上で快適に動作しており、KDE の移植を行なうボランティアが求められています。
毎週の WNPP の送信先変更。 Martin Michlmayr さんは、作業が望まれるパッケージ (WNPP) についての毎週のメールが今後は announce メーリングリスト宛には送られず、 代わりに新たに作られた debian-wnpp メーリングリスト宛に送られると発表しました。 さらに将来は、これらのメールを再び有用なものとするために、 メールには新規エントリだけが含まれるようになるでしょう。
パッケージバージョンの混乱。 Nico Golde さんは、unrar パッケージの最新バージョンが以前のものより若くなっていることに気づきました。 Roberto Sanchez さんが、古いパッケージは non-free であり、 それより若いバージョン番号をもったフリー版で置き換えられたと説明しました。 残念なことに、フリー版は最新の RAR 3.x アーカイブを扱うことができません。 その後フリー版は、混乱を避けるために名前が unrar-free へと変更されました。
waste のパッケージ化。 Romain Beauxis さんは、小さなチーム向けの共同作業用ツールである waste をパッケージ化したいと思いました。Mirco Bauer さんは、作者たちが waste を不正なソフトウェアとみなしていることを注意しました。 Nullsoft の親会社である AOL はこのリリースに同意してないようであり、 それが件の強硬なメッセージとなっています。
woody 最後のアップデート。 Joey Schulze さんは、Debian 3.0 の最後のアップデートが用意できたと公表しました。 いつもと同じように、これは woody リリース版に最新のセキュリティアップデートを追加するものです。 Schulze さんはまた、アーカイブ置き場の容量不足のために、sarge リリース後は woody のアップデートはありえないと説明しました。
消えつつある non-US。 Frans Pop さんは、リリースノートに non-US アーカイブの終了に関する一節を追加するよう提案しました。 というのも non-US は機能しておらず、もはや不要だからです。依然として同アーカイブ内にある 29 個のパッケージのうち、 main アーカイブへ移動できなかったのは 5 個だけでした。
debian-volatile の戦略。 volatile チームは、2 度目となる volatile アーカイブを (より基準を緩めて) 作成すべきかについて思案を重ねました。 これは例えば Gaim のように、 プロトコル修正に対応するためのアップデートが sarge の期間を通じてずっと必要となるようなパッケージの役に立つでしょう。また volatile チームは、 アップデートされたパッケージの通知方法を模索しています。
セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージが一つでもインストールされていたら、 システムを更新してください。
- DSA 724: phpsysinfo -- クロスサイトスクリプティング。
- DSA 725: ppxp -- ローカルでの root 権限の使用。
- DSA 726: oops -- フォーマット文字列の脆弱性。
- DSA 727: libconvert-uulib-perl -- 任意のコードの実行。
新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。
- bbclone -- PHP ベースの巨大なウェブカウンタ。
- chora2 -- horde フレームワーク用のコードレポジトリ閲覧コンポーネント。
- cyrus2courier -- Cyrus メールボックス形式を Maildir に変換。
- desktop-profiles -- デスクトッププロファイル設定用フレームワーク。
- drift -- 型に敏感な Haskell 用プリプロセッサ。
- grabc -- 十字線のカーソルを使ってスクリーン上の色を確認。
- installation-report -- システムインストールの報告。
- kiosktool -- KDE kiosk フレームワークの設定。
- p7zip -- 圧縮率の高いファイルアーカイバ。
- releaseforge -- SourceForge の File Release System (FRS) の代替品。
- schism -- 同じルック & フィールの提供を目指した ImpulseTracker クローン。
- unrar-free -- .rar ファイル解凍プログラム。
- webcpp -- ソースコードを HTML に変換するための設定可能なユーティリティ。
- yaws -- Erlang で書かれた高性能な HTTP 1.1 ウェブサーバ。
- z80asm -- ザイログ製 Z80 マイクロプロセッサ用アセンブラ。
今後も DWN を読みたいですか? このニュースレターの作成を手伝ってください。Debian コミュニティを見守って、 何が起こっているかをレポートしてくれるボランティアの記者を必要としています。 どうすれば手伝うことが出来るか、寄稿のページを見てください。dwn@debian.org であなたのメールを楽しみに待っています。
このニューズレターを毎週電子メールで受け取りたい方は、debian-newsメーリングリストを購読してください。
バックナンバーもご利用いただけます。
今週号の Debian ウィークリーニュースは Michael Banck and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
田村 一平 が翻訳しました。