Debian プロジェクトニュース - 2011 年 3 月 28 日
今年 5 号目の DPN、debian コミュニティの会報、にようこそ。この号で取り上げられている話題は:
- Debian: 6.0.1 アップデートリリース
- DebConf12 はニカラグアで開催
- Debian Derivatives Exchange プロジェクトの立ち上げ
- Debian インストーラチームからの一言
- DebConf11 組織における最近の開発のまとめ
- Debian -offtopic メーリングリスト
今週の Debian
インタビュー続報- その他のニュース
- Debian の新しい協力者たち
- 重要な Debian セキュリティ勧告
- 新規の注目パッケージ
- 作業が必要なパッケージ
- これからも DPN を読みたいですか?
Debian: 6.0.1 アップデートリリース
Debian 6.0(コードネーム Squeeze
)
の最初のアップデート がリリースされました。このアップデートには安定版の致命的問題に対するいくつかの調整と
セキュリティ問題に対する修正が含まれます。
DebConf12 はニカラグアで開催
DebConf 委員会は DebConf12、2012 年 Debian 開発者会議、を ニカラグアのマナグアで開催すると発表しました。 マナグアはブラジルのベロオリゾンテとの入札に競り勝ちました。 より詳細な内容は主催者の wikiを参照してください。
Debian Derivatives Exchange プロジェクトの立ち上げ
Stefano Zacchiroli さんと Matt Zimmerman さんは Debian dErivatives eXchange プロジェクト (DEX) という新しいプロジェクトを立ち上げました。 このプロジェクトの目標は Debian とその派生物の間の技術的な差異を低減することです。 このような試みを行った最初のグループは Ubuntu DEX チームで、 これは Ubuntu から提供されているパッケージや変更の Debian への統合を目的としています。 また、gNewSense DEX チームが近いうちに立ち上げられることが期待されます。
今回立ち上げられた Debian による DEX プロジェクトは全ての Debian ベースのディストリビューションとその他のプロジェクトに対して DEX プロジェクトへの参加と同じ基盤の上で一緒に作業を行うことをお願いします。
Debian インストーラチームからの一言
Otavio Salvador さんはDebian インストーラチーム
からの一言を投稿しました。この中で Squeeze
のリリース以降チームにあった変化
(例えば、Subversion から Git への転換)と、Wheezy
リリースに向けてのチームの目標
(とりわけ、netcfg のより多くの機能: WPA ワイヤレスネットワークのサポート、IPv6、
VLAN ネットワークインフラのサポート、リンクの検出) について要約しています。
このメールの重要な部分は誰かの助けを求めている点です。
つまり、チームに入って貢献を開始する適当なタイミングは、
新しい開発サイクルが始まった、まさに今この時だということです。
DebConf11 組織における最近の開発のまとめ
Vedran Omeragic さんが DebConf11 組織における最近の開発についてブログ記事を書きました。公式 DebConf11 ウェブサイト が完成し、今年の Debian 開発者会議に参加したいと思っている方々に向けた 多くの情報が載せられています。もう1つの重要なステップが(2月22日に行われた会議中に)発表され、資金提供レベル が去年のレベルから少し変更されたこと、全部で3つの異なるタイプの資金提供パンフレット が完成したことを伝えました。また、ボスニアのビザ制度に関する説明があり、全ての情報は関連する wiki ページに載っているということです。 最後に Vedran さんは次のステップとして、参加登録の開始、参加者に最適な交通機関を見つけること、 スポンサーを探すこと、宣伝用の資料の準備を挙げました。debconf11-localteam@lists.debconf.org メーリングリストで DebConf11 組織チームと連絡を取ることが出来ます。
Debian -offtopic メーリングリスト
Debian や、さらにはコンピュータとも全く関係のないことを、ユーザや開発者と 議論したいと思ったことはありませんか? debian-user では、題名に [OT] を つけてから始めるのがならわしです。
残念ながら、これは関心のない購読者にとっては混乱の元となり得ます。 debian-user のように流量が多ければなおさらです。このため、 Holger Levsen さんと Debian コミュニティプロジェクトの助力のもと、 d-community-offtopic メーリングリストが作成されました。
このメーリングリストは、他のほとんどの Debian メーリングリストと同様に、 誰でも参加可能ですので、CC と Reply-To をこのメーリングリストに設定する ようにしてください。そうすれば、興味のある人には、議論がこのメーリングリストに 移ることが伝わります。楽しんでください、そしてお互いに素敵でいましょう!
今週の Debian
インタビュー続報
前号の Debian プロジェクトニュース以降、新しく
This Week In Debian
ポッドキャストが 2 回分公開されています。Debian Mono チームの
Joe Shields
さんへのインタビューと、Jonathan
Nadeau さんに Debian と Northeast GNU/Linux Fest についてインタビューしたものです。
その他のニュース
Michael Gilbert さんは
最初の非公式な Debian テスト版
スナップショットのリリースを発表しました。
現在のところ i386 と amd64 アーキテクチャ用の小型 ISO イメージが入手できます。
Alexander Reichle-Schmehl さんはLinux New Media Award 式典のビデオがついにオンラインで入手可能になった ことを告知しました。この中で Alexander さんと Meike Reichle さんが Debian プロジェクトの代理人として2つの賞を受け取っています。
Ana Guerrero さんがメールで報告したとおり、 Google Summer of Code (GSoC) プロジェクトへの申し込み締め切りが近づいています。 ご存知の通り、今年もまた Debian は GSoC の指導者組織として承認されました。 学生による企画案の提出は今日開始されましたが、プロジェクト企画案と指導者の 割り当てが済んでいないものもまだ残っています。つまり、 去年のプロジェクトページを覗いてインスピレーションを得たり、 チーム内でプロジェクトを立案してみて、プロジェクトに申し込んでみてはいかがでしょうか。
Debian の新しい協力者たち
9 人の方々が前回の Debian プロジェクトニュースから パッケージのメンテナンスを開始しました。 Vincent Cheng さん、Rodolfo García Peñas さん、Guillaume Mazoyer さん、 Fernando Mercês さん、Daniel Thomas さん、Christo Buschek さん、 Jean Schurger さん、Manu Garg さん、Vasudev Kamath さんを 私たちのプロジェクトに歓迎します!
重要な Debian セキュリティ勧告
Debian セキュリティチームは最近、(とりわけ) これらのパッケージに 勧告をリリースしました: proftpd-dfsg、 chromium-browser、 libcgroup、 libvirt、 php5、 maradns、 quagga、 tex-common、 iceape、 iceweasel、 wireshark、 apache2、 nss、それから imp4。 内容をよく読んで、適切な評価をしてください。
Debian Backports チームはこれらのパッケージに勧告をリリースしました: subversion と iceweasel。 内容をよく読んで、適切な評価をしてください。
Debian 安定版リリースチームはこれらのパッケージの更新をアナウンスしました: clamav と tzdata。 内容をよく読んで、適切な評価をしてください。
Debian Volatile チームはこのパッケージの更新をアナウンスしました: tzdata。 内容をよく読んで、適切な評価をしてください。
これらは、先週のセキュリティ勧告の中からより重要なものだけが抜粋されていることに注意してください。Debian
セキュリティチームが公開したセキュリティ勧告の最新情報をチェックする必要があるなら、アナウンスを受けとるためにセキュリティメーリングリスト (これとは別に backports セクションのメーリングリストと stable-updates セクションのメーリングリストあるいは旧安定版である Lenny
向けの volatile セクションのメーリングリスト) を購読してください。
新規の注目パッケージ
最近、以下のパッケージが不安定版の Debian アーカイブに追加されました。新規パッケージからの抜粋:
- banshee-extension-karaoke — Banshee 用のカラオケ拡張
- channel-server — XMPP の buddycloud チャンネルサービス
- coala — アクション言語をアンサーセットプログラムに変換するツール
- discount — C で実装した Markdown マークアップ言語
- dvbstreamer — DVB/ATSC のコンソールベースのストリーマ
- ekg2 — UNIX システム用のインスタントメッセンジャーおよび IRC クライアント
- geiser — Emacs 用の拡張 Scheme 対話モード
- geoclue-skyhook — GeoClue (Skyhook) 用の地図およびジオコードサーバ
- gnumach-image-1.3.99-486 — GNU 版の Mach マイクロカーネル
- gringo — (不確定) 論理プログラムの基礎ツール
- hyphen-pl — LibreOffice/OpenOffice.org 用のポーランド語ハイフネーションパターン
- minissdpd — アナウンスされたすべての UPnP デバイスのメモリを保持
- mobile-atlas-creator — GPS/携帯電話アプリケーション用のオフライン地図作成プログラム
- monav-client — 正確なルーティングを搭載した高速ナビゲーションシステム - クライアント
- mudlet — 高速な Lua スクリプティングをサポートしたグラフィカルな MUD クライアント
- mythes-pl — LibreOffice/OpenOffice.org 用のポーランド語シソーラス
- pdb2pqr — 静電気の計算用にタンパク質の構造を準備
- peg-solitaire — ペグを使った一人用ボードゲーム
- perlbrew — ホームディレクトリに Perl をインストールする管理スクリプト
- pev — PE32 実行ファイルからプロダクトバージョンを取得するユーティリティ
- propka — タンパク質の陽子状態を変更するツール
- purity-ng — Python で再実装したクラシックな「purity」ゲーム
- rapid-photo-downloader — カメラやメモリカード、その他のデバイスから写真をダウンロード
- sigrok — ロジックアナライザおよびプロトコルデコーダソフトウェア
- sikuli-ide — SIKULI スクリプト開発および JUnit テストケースを利用する IDE
- spatialite-gui — SpatiaLite 用の使いやすいグラフィカルユーザインターフェース
- streamtuner2 — インターネットラジオ局のブラウザ
- systemd — システムおよびサービスマネージャ
- tabix — TAB 区切りのゲノムポジションファイルの汎用インデクサ
- timbl — Tilburg メモリベース学習
- transifex-client — Transifex 用のコマンドラインインターフェース
- tuxfootball — 素晴らしい 2D サッカー (あるいはフットボール) ゲーム
- ucto — ユニコードのトークン化プログラム
- undertaker — プリプロセッサ命令をチェックする静的コード解析ツール
作業が必要なパッケージ
現在のところ、 330 のパッケージからメンテナがいなくなり、 149 のパッケージが後継メンテナ募集状態になりました。完全なリストは支援が必要なパッケージにあります。
これからも DPN を読みたいですか?
この会報の作成を手伝ってみませんか? 我々は、Debian コミュニティの活動を眺め、何が起きているのかを報告してくれるボランティアのライターを募集しています。貢献に関するページをご覧になって、手助けの具体的な方法をご確認ください。我々はあなたからのメールを debian-publicity@lists.debian.org でお待ちしています。
このニューズレターを電子メールで受け取りたい方は、debian-newsメーリングリストを購読してください。
バックナンバーもご利用いただけます。
今週号の Debian プロジェクトニュースは Alexander Reshetov, Andrei Popescu, Alexander Reichle-Schmehl, Francesca Ciceri and Jeremiah C. Foster が編集しました。