Debian ウィークリーニュース - 2002 年 1 月 9 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian 週刊ニュースの 第 2 号へようこそ。

新しい「CD 上の Debian」ウェブページ。 CD-ROM 上の Debian についての新しいウェブページがいくつか www.debian.org に追加されました。これは cdimage.debian.org にある古いページについにとってかわりました。cdimage.debian.org はしばしばウェブサイトの訪問者から批判されていました。拡大された FAQ のほかにも、 新しいページは CD イメージをダウンロードするための直通リンク、CD ベンダーのリスト、自家製 CD のカバーに使うための図版を提供します。さらに、 新しいページには jigdo (「Jigsaw Download」) についての情報もあります。 これはどんなふつうの Debian ミラーからでも CD イメージをダウンロード することができる配布の新しいしくみです。

KDE が一時的に引き渡されました。 先週、有名な恐れ知らずの KDE メンテナである Ivan E. More II さんが自分が 開発している KDE や Qt パッケージの大部分をみなし子化 (orphan) しました。 彼はこれらのパッケージについて適切に作業し、実人生や Debian の開発者であることから生じる特有のストレスに対処するのに十分な時間を もうまかなえないと感じています。よい作業をしていただいたことに対して Ivan さんに感謝します。 Chris Cheney さんと Daniel Stone さんが彼のパッケージの大部分を 引きついだので、KDE と Qt は再び開発されています。彼らは libpng2/3 に ついての現在の問題を解決しようとしているので、がまんしてください。

Debian の開発についてのコメント。 Adrian Bunk さんは長いメールを書いて、開発過程の結果として発生した、 Debian の問題のいくつかについて話しました。Adrian さんは扱いにくくなった 開発者、開発者がボランティアであるゆえに要求された作業をさせることを 強制する力がプロジェクトにないこと、単に 8000 個以上のバイナリパッケージがあり、900 人以上のメンテナがいること、リリース過程、 開発過程 (「小伽藍のバザール」 (bazaar of small cathedrals) としても知られています) そしてリリースクリティカルバグの数について文句を言いました。Fabian Fagerholm さんはこうつけ加えました: 「まだ混とんさえもないころは、カリスマ的な人びとが 夜に向かってハックしていたけれど、今では人びとは成熟したシステムを きちんと開発しようと努力しています」

Debian の品質保証の再構築。 Debian QA (Quality Assurance、品質保証) チームは自分たちの仕事の改善と新しい構造を議論しています。たとえば Adrian Bunk さんはチームを結成すること、リリースクリティカル (release critical、RC) バグを修正すること、インストールできないパッケージやテスト版 (testing) についての問題そして開発中行方不明者 (missing in action、MIA) を知ることなどといった QA のための仕事について話しました。Raphaël Hertzog さんはパッケージのバグ報告を 講読することによってパッケージの開発を助けたい人のために新しいサービスを発表しました。さらに、QA チームは優先度が basestandard であるパッケージの RC バグのリストをすでに準備しました。

新しい Debian-Med プロジェクト。 Andreas Tille さんはこの新年に新しいプロジェクトをはじめなければ ならないと感じました。 Debian-Med は医療にたずさわる人たちの仕事を 支援する (Debian Jr. のような) Debian の内部プロジュクトです。 Debian-Med には一般的な実地研究を支援する部分と研究室での研究を支援する 部分が主要な構成部分として含まれる予定です。Andreas さんはパッケージ化 したり開発したり文書を書いたりするのを助けてくれる人たちをさがしています。

修正できないバグについて助ける。 Colin Watson さんは「help」タグがついているバグ報告のリストを抜粋しました。 メンテナは明らかにこれらのバグを修正するのに助けを求めています。 もしやっつけるのにやりがいのあるバグをさがしているのなら、 これらがやってみる価値のある対象かもしれません。 必要に応じて情報またはパッチを送ってください。

略語や技術用語はトラブルのもとです。 文書や Debian 関連の IRC チャンネルやメーリングリストを翻訳するとき、 多くの翻訳者、ユーザや開発者は依然として略語、技術用語や専門語で つまっています。これらの用語はもしその意味をまだ理解していなければ 翻訳するのがむずかしく、理解するのもやや困難です。たとえば、ブート フロッピーの文書の powerpc の部分にある「debless」(「disable」のようです) も「cruft」(「ごみ」のことです) も英語の辞書には存在しません。MIA (Missing In Action、上記参照)、IMHO (訳注: in my humble opinion)、 OTOH (訳注: on the other hand) などは新人ユーザや開発者にはちんぷんかんぷんです。

Debian 2.2r5。 Martin 'Joey' Schulze さんは Potato の 5 番目のポイントリリースを準備しています。これには多数のバグ修正が含まれ、以前はインストール できなかったパッケージのいくつかをインストール可能にします。バグ修正の 多くはセキュリティ関連なので、新しいポイントリリースがミラーに到着したら 確実にアップグレードしてください。DWN ももちろん 2.2r5 がリリースされたら 発表する予定です。

新規または言及するべきパッケージ。 以下の新規または更新されたパッケージが最近 Debian アーカイブに更新または 追加されました。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はごぞんじでしょう。もしこれらのパッケージをひとつでも インストールしていたらシステムを更新してください。

みなし子化されたパッケージ。 これは新しい章です。週ごとの更新を提供できるかやってみましょう。 多くのパッケージが先週みなし子化されました。しかしその多くはすでに 新メンテナに取りあげられています。完全なリストは WNPP のページを ごらんください。

ニュースがありますか? もしあるなら私たちに知らせてください。私たちはいつでも追加するための 興味深い内容をさがしています。ボランティアの筆者による新記事は特に。


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今週号の Debian ウィークリーニュースは Yooseong Yang and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。