Debian ウィークリーニュース - 2003 年 5 月 6 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリーニュースの今年の第 18 号へようこそ。昨年行われた FLOSS の調査の締めくくりとして、 スタンフォード大学は、FLOSS-US を行っています。Bruce Perens さんは、Debian をベースにした成果 (例えば、Knoppix・Trusted Debian・Libranet その他など) が、Debian とより密接に動作するのを調べたいと述べました

APT が試験的に DDTP をサポート。 DDTP チームと Debian-BR プロジェクトは、翻訳済みのパッケージ説明文をサポートした APT の最初の一般公開を発表しました。この最初の試験的なリリースは、APT の CVS 版をベースにしています。完全なソースとパッチも利用可能です

設定ファイルの自動的なマージ。 Jarno Elonen さんは、dpkg が設定ファイルのマージを試験的にサポートした発表しました。インストールされている設定ファイルが、 パッケージ内のファイルと異なるとき、dpkg は、マージオプションを提示します。これは、設定ファイルがアップグレードされて、 より多くのオプションが用意されたときに役立つはずです。

i386 サポートの中止? Nathanael Nerode さんは、i386 問題を調査して、他のディストリビューションと C++ パッケージのバイナリ互換性を維持するには、Debian は GCC が提供する atomicity.h の i486 版を使う必要があることを突き止めました。 Dagfinn Ilmari Mannsåker さんは、モバイル P-III 上で、i386 対 i486 の OpenSSL コードの速度を比較する、小さなスクリプト書きました

Debian パッケージタグ。 Enrico Zini さんは、Erich Schubert さんと協力して作成した、Debian パッケージタグを発表しました。このタグ (キーワードやカテゴリとも言えます) は、ネットワーク上で編集可能です。 タグは、Debian システムが歴史的に利用して来た、 パッケージセクションの発展と考えることが出来ます。Enrico さんはその後、最新版も発表しました。

提案と推奨をサポートした apt-get? Alexander Wirt さんは、指定されたパッケージの、 推奨もしくは提案するパッケージ全てをインストール可能にする、 apt-getラッパー発表しました。 Graham Williams さんは、同様の機能を提供する wajig について説明しました。 Rene Engelhard さんは、対話形式でこれをサポートしている aptitude も、 おそらくコマンドラインではこの機能を提供できるだろうと付け加えました

Debian-Lex のインタビュー。 オーストラリアの新聞 Age 紙は、Debian-Lex サブプロジェクトを始めた Jeremy Malcolm さんへのインタビューを発表しました。親プロジェクトに関わっている開発者以外にも、 3 人の資格を持った弁護士が Debian-Lex プロジェクトに関わっています。彼らは、 法律や IT の専門的な知識を、その開発に注いでいます。さらに Malcolm さんは、法的な業務で利用するために設計された、 多くの独占的なソフトウェアとの相互運用性についても話しています。

Debian の信頼性向上。 Rémi Perrot さんは、Debian の信頼性向上についての議論を始めました。 彼の意見によると、安定版 (stable) リリースの改善に対するポリシーは非常に制限的で、 セキュリティ上の修正を除いては、Debian の品質を向上させる機会を与えていません。リリースサイクルが非常に長いので、 安定版 (stable) リリースにおける全てのバグ修正を受け入れる必要がある、 と彼は考えています。

HP i2000 の開発者利用。 James Troup さんは、Hewlett-Packard 社の継続的な支援に感謝し、caballero.debian.org (Debian ia64 ビルドデーモン) が最近 rx2600 にアップグレードされたことを発表しました。 この結果、古い caballero (i2000) は、新たな活躍の場を探しています。このマシンは、debian-installer、 ツールチェイン (gcc・binutils・glibc)、カーネル、 その他価値ある理由を支援するために誰かに貸し出される予定です。 興味のある開発者は、英国 (あるいは欧州) に住んでいて、価値ある理由について、 過去の実績または、将来の作業に対する真の実力があるという証拠を提供する必要があります。

フリーソフトウェアの著作権表示をめぐる論争。 Hans Reiser さんが始めた (DWN でも取り上げました) debian-legal での長い議論は、Newsforge に移りました。この議論は、 スポンサーの著作権表示を含めた ReiserFS ツールの出力を消し去ったことに関するものです。その後、Hans Reiser さんは、彼の考え方についての記事を投稿しました。そこには、 なぜフリーソフトウェアにおける著作権表示が保護されるべきなのか、また、 ライセンスの要求事項を実施しなければならないのかという、 彼の考えが書かれています。彼の意見に対する反応は、 どれも否定的なものでした。

ブリュッセルでのソフトウェア特許会議。 Jama Poulsen さんは、2 日間に渡る協同研究会議が、5 月 7 日と 8 日に、ブリュッセルで行われると述べました。 この会議には、ヨーロッパの政策とその目的に関して提案された、 特許法規制がもたらす問題を調査するために、プログラマ、エンジニア、起業家、 法学者、経済学者、政治家が一堂に集まります。

Debian の subversion サーバ。 Wichert Akkerman さんは、svn.debian.org に、Debian の subversion サーバを導入しました。コミットアクセスの管理は、Alioth を通して行われます。もし subversion リポジトリを管理したいなら、Alioth にそのプロジェクトを登録してください。 プロジェクトが認可されたらすぐに、リポジトリが作成できるよう、 サポートリクエストを提出してください。Alioth のプロジェクトに誰かを追加すると、 自動的にリポジトリへの書き込み権が付与されます。

Debian ミニ会議 3 の発表Linux Conference Australia (LCA) に併せて、Debian ミニ会議が行われるのは、すっかり伝統になって来ました。LCA2004 のスケジュールがやっと決定したので、Jonathan Oxer さんは、Debian ミニ会議 3 は、2004 年 1 月 10 日と 11 日にオーストラリアのアデレードで開かれると発表しました。 さらに彼は、興味を持ってミニ会議に出席する人で、講演に対する提案がある人がいないか尋ねました。

開発者向けに Sun Ultra 30 が利用可能。 Nathan Norman さんは、もし使いたい人がいるなら、 現在彼が使っているデスクトップマシン (Sun Ultra 30) を、Debian プロジェクトで使えるようにしてもいいと知らせました。 Martin Michlmayr さんは、米国にいる開発者がこのマシンを debian-installer の sparc アーキテクチャへの移植作業に使いたいのであれば、Debian は発送手数料を支払うと付け加えました。 Ben Collins さんは、すでにこの移植作業を終えています

削除予定のパッケージ。 Petter Reinholdtsen さんは、管理しているパッケージが削除される予定だと気づいていないメンテナがいると知って驚きました。 Michael Banck さんは、Debian 開発者が購読必須の、debian-devel-announce メーリングリストに BugScan メールが流れているはずだと言いました

インドの会議での講演者求む。 Martin Michlmayr さんは、インドでの会議で Debian について講演してくれる人を探しています。 その会議は、6 月の 12 日と 13 日にムンバイで行われる予定です。Debian は講演の依頼を受けています。ムンバイで Debian について話すのに興味のある人は、 Martin さんに連絡を取ってください。

イタリアとオーストリアの会議での Debian。 Debian プロジェクトは、ここ数日のうちに行われるふたつの会議に招待されていると発表しました。 イタリアのパドバで行われる Webb.it では、Debian はブースを出し、 数名の開発者が訪問者にフリーソフトウェアをインストールする手助けをする予定です。 オーストリアのインスブルックで行われる IFIT では、プロジェクトはブースを出し、 いくつかの講演を予定しています。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または言及するべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 9 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 193 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Matt Black, Bartosz Zapalowski, Frank Lichtenheld, Jonathan Oxer, Thomas Bliesener and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。