Debian ウィークリーニュース - 2005 年 4 月 26 日

Debian コミュニティのための週刊ニュースレター、Debian ウィークリニュースの今年の第 17 号へようこそ。調査会社 IDC によれば、 フリーソフトウェアは欧州において地歩を固めつつあり、欧州の中〜大規模企業の 3 分の 1 がフリーソフトウェアの データベース管理システムを重要な業務に使っているとのことです。リーダーシップチームは、本号の準備中に初めてのミーティングを行ないました。

GNOME 2.10 が experimental へアップロード。 Jordi Mallach さんは、2.10 の構成部分の大半が experimental ディストリビューションへアップロードされ、多くの人々がすでに使用中であると報告しました。2, 3 のライブラリは新バージョンが必要なため、それらが Debian に取り込まれるまでの間、GNOME チームによって一時的にパッケージ化されて専用のレポジトリへアップロードされました。

GFDL と Debian。 Matthew Garrett さんは、GNU Free Documentation License に関する議論において、Debian はあらゆる人に自由をもたらすことを望んでいると説明しました。Matthew Wilcox さんは Debian Free Documentation のガイドライン起草し、 そこではソフトウェアのものとはわずかに異なるドキュメントの目的や自由について定義しています。

ユーザ投票: non-free なドキュメントを削除すべきか? Brian Nelson さんは、GNU FDL が適用されている全ドキュメントを削除すべきかどうかに関する投票を企画しました。 Nelson さんは 結果公表し、 何人かのユーザから寄せられた文書による回答を強調しました。 しかしながらこの調査に参加したのはわずか数人だけでした。 大半の人はこれらのドキュメントが完全に削除されるのを望んでおらず、 多くの人は non-free へ移すのは構わないと回答しています。

Debian Day 論文募集。 Alexander Shmehl さんは、今年の Debian Day で講演を行なってくれる人を募集しました。 Debian Day は、Debian の開発者や協力者が自分たちのために開催する 1 日だけの会議です。 ドイツのカールスルーエ市で開催される LinuxTag コンファレンス & エキシビションの期間中、6 月 23 日 (木) に行なわれる予定です。 Debian Day の参加者は、その大半が熟練ユーザや開発者であると予想されています。 講演者になりたい人は、Shmehl さんに草稿を提出すべきでしょう。

Debian と mplayer の FAQ。 MJ Ray さんは、Debian ディストリビューションにおける mplayer の状況について説明している FAQ の草案を発表しました。 この文書は、上記の事柄について debian-legal リストでかつて行なわれた議論を要約したものです。Ray さんはまた、 新バージョンがアップロードされて ftpmaster の承認待ちであり、 疑惑のあるコードはすべて削除済であると説明しています。

Debian AMD64 ミーティング。 Debian AMD64 の移植者による IRC ミーティングが 4 月 23 日に行なわれました。 主な議題は sarge 用 AMD64 移植版の非公式なリリースと、Alioth からよりディスク容量の多い新マシンへの移行に関する事柄でした。 数人に、近日公開予定のリリースに向けた作業が割り当てられました。新マシンは、ダルムシュタット大学で運営される予定です。ミーティング内容の要約IRC ログが入手できます。

Debian コンサルタントの新ポリシー。 Debian コンサルタントチームは、コンサルタントウェブページに追加するための新しいポリシーを公表しました。このポリシーにより、 紹介されている全コンサルタントは作業用の電子メールアドレスが必要となり、 それを与えられていない人はコンタクトチームに連絡して、自分の登録を更新する必要があります。

Debian プロジェクトリーダーレポート。 Branden Robinson さんは、彼にとって初めてのプロジェクトリーダーレポート発表しました。その中で Robinson さんは、sarge のリリース関連、ARM 用 buildd、 Debian の世界中にある資産、彼が受けたインタビュー、その他多くの事について述べています。 その他の内容としては、スナップショット用のバックアップサイトや、Debian のインフラストラクチャにとって不可欠なマシン用のより包括的なバックアップ戦略などです。

1 年間の Debian 関連の雇用。 Joey Hess さんは、debian-edu の作業を行なうために SLX Debian Labs で働いた過去 1 年間の要約を発表しました。Hess さんは自分の ToDo リストの内容と実際に行なった作業とを比較し、 sarge のリリースに向けた多くの作業が完了に近づきつつあることが示されています。 またつい最近 Hess さんは、インストーラテスト用の彼の作業場をリモートラックに移しました

スナップショットサービスの重要性。 Adrian van Bidder さんは、スナップショットサービスがプロジェクトに対するその価値を認められて公式な debian.org のサービスに昇格するのではないかと疑問を呈しました。 Martin Schlze さんは、セキュリティ上の作業時に古いパッケージバージョンを調査しなければならなくなった場合にとても役に立つと説明しました。

AMD64 の移植状況。 Andreas Jochens さんは、AMD64 アーキテクチャ用の最新テスト版ディストリビューションをゼロから構築しようと試みたところ、 EM64T-P4 を 1 個搭載した標準的なマシンでわずか一週間しかかかりませんでした。 これはとても前途有望なことです。というのも、素の Debian sarge ソースを使って問題なく、同アーキテクチャ上でほぼすべてのパッケージが構築されたからです。

セキュリティ上の更新。 いつもの手順はご存知でしょう。 もしこれらのパッケージがひとつでもインストールされていたら、 システムを更新してください。

新規または注目すべきパッケージ。 以下のパッケージは、最近、不安定版 (unstable) の Debian アーカイブに追加されたか、 または重要な更新を含んでいます。

みなしご化されたパッケージ。 今週 7 個のパッケージがみなしご化され、新しいメンテナを必要としています。 これでみなしご化されたパッケージは合計 228 個となりました。 フリーソフトウェアコミュニティに貢献した以前のメンテナ達に感謝します。 完全なリストが、WNPP のページにあります。もしパッケージを引き取るつもりがあるなら、 バグレポートに一言付け加えて、タイトルを ITA: に変更してください。

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今週号の Debian ウィークリーニュースは Martin Zobel-Helas, Tobias Toedter and Martin 'Joey' Schulze が編集しました。
田村 一平 が翻訳しました。